松栄丸広報室

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茹でると赤くなるのはなぜ?

  • うみ
茹でると赤くなるのはなぜ?

おいしそうなカニ!といえば、赤々としたイメージ。生きているカニもほんのりと赤いのですが、茹でるとその赤味はより増します。しかしこの赤色、はいったいどこからやってくるのでしょうか?

この赤色はなに?

まず御覧いただきたいのが、水揚げされたてのカニ。うっすらオレンジ色。これが茹でるとこんな色に……!

こちらは、よく目にするいわゆるカニの赤色。この色は「アスタキサンチン」という色素。カニがもともと持っているものではなく、藻や微生物が源となっています。

この「アスタキサンチン」という名前、美容に詳しい方だとご存じかも。

実はこの成分、近年美容業界で注目されている成分なんです。赤色の野菜の代表格トマトのリコピンや、人参のβカロテンと同じ「カロテノイド」と呼ばれる天然色素の一種。

このカロテノイドには抗酸化作用があると言われています。中でも「アスタキサンチン」は“スーパーカロテノイド”といわれていて極めて優秀な物質なんだそうです。

美しくなるなら、選ぶべきはカニ?

注目されるその理由は、並はずれた抗酸化力。正しくは「活性酸素の消去活性」なのですが、噛んでしまいそうですね……笑。

簡単に言うと、物質が酸化するのを抑制する力が強い!ということ。特にシミやシワなど肌の老化の原因である紫外線によって発生する「一重項酸素」に効果が高いとのこと。

富士フィルムの研究によれば「アスタキサンチン」はビタミンEの約550倍、β-カロテンの40倍、美容界やスポーツ界で注目されているコエンザイムQ10の約1,000倍にもおよぶことがわかっています。すごい!!

カニを加熱することで1割ほど失われますが、内部は損失が少なく加熱による変化はほとんどないのだそうです。

赤くなるカニの成分がまさか美容にいいものだったとは……。いつかカニが美容で注目を浴びる日が来るかもしれません。

おいしくて美しくなれるとは、おそるべし、カニ!まだまだ知らないことがたくさん隠されている、カニなのでした。